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#ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (240x427) CV:佐々木篤 …そんなに僕に出かけて欲しいなら、; 行ってやってもいい; プロフィール ステータス覚醒前 太陽ルート 月ルート 選択肢 プロフィール 時の国・クロフォードの王子。頭脳明晰で、人生をゲームだと思っている。 部屋に引きこもることが多く、不摂生。 夏の暑い日に、美味しいアイスを求めてアマレナへ行くことになった。 出身国 時の国・クロフォード ポリシー 趣味 データ計算 癖 体育座り 好きなもの 花畑 嫌いなもの この世 ステータス 覚醒前 属性 クール; レアリティ ★★★★ コスト 8 最大レベル 50 能力 HP 攻撃 回復 初期 381 239 225 MAX 423 399 愛情突破 917 562 531 リーダー 名前 夏に外に出るなんて 効果 青属性のHPと回復力を20%UP スキル 名前 レアコラボパーカー 効果 下部のピースを消し、爆弾を追加する 発動まで お別れ ゴールド リングのかけら 太陽ルート +外見。ネタばれ注意 #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (200x355) 属性 クール; レアリティ ★★★★★ コスト 12 最大レベル 60 能力 HP 攻撃 回復 初期 707 480 420 MAX 愛情突破 リーダー 名前 トッピングし放題! 効果 青属性のHPと回復力を25%UP スキル 名前 アイスファイズ 効果 下部のピースを消し、爆弾を追加する 発動まで お別れ ゴールド リングのかけら 月ルート +外見。ネタばれ注意 #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (200x355) 属性 クール; レアリティ ★★★★★ コスト 12 最大レベル 60 能力 HP 攻撃 回復 初期 707 480 420 MAX 愛情突破 リーダー 名前 お腹を冷やすとは! 効果 青属性のHPと回復力を25%UP スキル 名前 ポンポンペイン 効果 下部のピースを消し、爆弾を追加する 発動まで お別れ ゴールド リングのかけら 選択肢 タイトル 選択肢 変動値 ドライへの提案 このままじゃ体に悪い 月+6 たまには気分転換に 太陽+6 審査結果 もちろん 太陽+3 行ってみないとわからない 月+3 ひとりで行く 太陽+6 諦める 月+6 氷菓の国へ 楽しいですか? 月+12 旅行に来てよかった 太陽+12
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キュルケ「それじゃあテスト始めるわよ~ ・・・始め!!」 承太郎「(ばれなきゃイカサマじゃあないんだぜ・・・)スタープラチナ・ザ・ワールド!!」 DIO「(フハハハハ!過程や方法なぞどうでもいいのだぁーッ!!)ザ・ワールド!!」 スティーリー・ダン「(よしッ!ラバーズ、アイツの答案を見てこい!)」 プッチ「フフフフ」ドシュ!ドシュ! 露伴 ドシュ!ドシュ!ドシュ! キュルケ「なにこれ・・・・・」 タバ茶「イカサマ」味出た!!
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べたべたと褒められて、リキエルは背中がかゆくなってきた。 確かにあそこまで動けるとは、自分でもいまだ信じられないくらいだったが、そうしようと動いたわけではなく、なぜか動けてしまっただけである。それに根性というが、あのときは前後無思慮で突っ込むことしか頭になく、決して褒められるべきものでもなかったとリキエルは思う。 リキエルはその思いを吐き出した。 「体が動いただけだがな、ほとんど勝手にだ。剣にしてもよぉ、握ったのはあのときが初めてだし、それで戦おうってわけでもなかった」 それを聞いたマルトーは感動の面持ちになり、厨房で皿を洗っている幾人かの手下に向かって、自慢の大声で呼びかけた。 「お前たち! 聞いたか!」 「聞いてますよ! 親方!」 「達人は貴族どものように、むやみに己の力を誇らない!」 「達人は誇らない!」 厨房のなかに、変な熱気が生まれている。 どうもこの勢いにはついていけそうにないと、リキエルは巻き込まれる前に適当な話を振って、話題を変えてしまうことにした。 「その話はこれくらいでいいんじゃあないですか。そんなことよりマルトーさん、どうやらメイジが嫌いみたいだな、さっきから聞いてるとよォ――」 マルトーは、見ていて面白いくらいに食いついてきた。わざわざ椅子から立ち上がって、拳まで握り締めている。 「おうよ! あいつらの魔法は確かにすごい、平民にはまねできない芸当さ。だがな、そんなもんはえばりくさるだけの理由にはならなねぇ。言ってみりゃあ、こうやって料理することだって誰にでもできるわけじゃねえ、いわば魔法だ、な? そうだろうが?」 「あ~、まあそうだな」 本当を言えば、リキエルはそれほどメイジに対する嫌悪は持っていない。 それは、リキエルがこの世界の人間ではないからでもあったが、魔法の力で生きながらえた身としては、その有用性は認めるほか無く、少なくとも嫌うことはできそうになかったのである。ルイズの錬金やギーシュのワルキューレのせいで、『土』系統の魔法に限り、できれば見たくないぐらいの意識だった。 しょうがなしといえばマルトーにも貴族にも悪いが、いまは話題を固定させるためだけに、リキエルは話をあわせていた。 「そりゃあ立派な魔法だと思うぜ」 「いいやつだな! お前はまったくいいやつだ!」 「ただ疑問もわいた。ちょっとした疑問はなぁ」 「疑問? なんだ、言ってみろ」 「ミス・ロングビルのことなんスけど」 これは本当に聞きたかったことである。聞いてどうするでもなく、単なる好奇心からの疑問だが、シエスタの貴族への怯えようを目にして、かねてより疑問に思っていたことでもあった。 「あの別嬪の秘書さんか」 「メイジ嫌いというのならよぉ――、彼女を出入りさせてるのは少し解せないな」 「おお、そうか。お前は知らないのか。あのお嬢さんはな……ん? どうした、お前」 話しこむ体勢になったマルトーが、不意にリキエルから視線を外して、その後ろの窓を見て言った。つられて振り向き、リキエルもそいつに気がついた。この前、観察するように自分を見つめてきた例の火トカゲが、同じように自分を見ている。 サラマンダーは気づかれたと知ると、挨拶するみたいにぼぼと火を吐いて、夜闇の中いずこかへと去っていった。 「そういやあ、もう真っ暗なんだったな。そろそろ暇するか」 残りのシチューをかきこんで、リキエルは立ち上がった。遅くなりすぎて、またぞろルイズの気にでも障ればまずい。ロングビルの話も、マルトーの態度を見れば長くなりそうだったので、また今度の機会にしたほうがよさそうだ。 厨房の出入り口で、マルトーは名残惜しそうな顔をした。 「ふうん、もう帰っちまうか。明かりがいるか?」 「いや、女子寮はそう遠くもないし、大丈夫じゃねーかな」 「そうか。ま、来たくなったらまたいつでも来い」 リキエルは礼を言って厨房を出た。空にはいつの間に出たか薄雲がかかっており、来るとき散らばっていた星はみな隠れ、二つの月も朧だったが、それでも歩く分には十分な月明かりを放っていたので、やはり手明かりは必要なかった。 一応夜に目を慣らしてから、リキエルは道を急いだ。 女子寮に帰ってきたリキエルだったが、ルイズの部屋には鍵がかかっていて、入ることができなかった。閉め出されるようなことはしていないはずだと、扉を叩いたりノブをがちゃがちゃとやってみたのだが、なんの反応もなかった。 リキエルはその場にたたずみ、目を閉じて頭をかいた。もう夜は更けて、いまはだいぶ冷え込んできている。石造りの寮の廊下は相変わらず冷たく、部屋と違って板が敷かれていない分ひとしおだった。それが足の裏を通って、全身へと回り始めている。凍えるようなことはないだろうが、このままじっとしていたのでは耐えがたい。 どうしたものかと思っていると、なにやら足もとが温かくなってきた。目を開ければ、あのサラマンダーが服を引っ張っている。 「なんだ、なにかオレに用か? それともそれは習性か? お前らには人間の服を引っ張る習性でもあるのか? なんでもいいが、離してくれるとありがたいんだがな」 火トカゲは知ったことかとでもいうように、いっそう強い力で引っ張ってくる。決闘でところどころ傷やらほつれのできた服が、このままではもっと傷むか、悪くすれば破られかねない。着替えがないのでそれは困るし、なかなか気に入りの服でもあるから、リキエルは引かれるに身を任せるしかない。 ところが、サラマンダーの目指す先はどうやら隣室、キュルケの部屋である。部屋の扉が、人一人が入れるくらいに開いていた。そこを目指すということは、やはりこのサラマンダーは、フレイムとかいうキュルケの使い魔だったのだ。 ――やべーぜッ、こいつはッ。 この世界に来た日の、その夜にあったことをリキエルは思い出している。キュルケとルイズが隣同士なのはそのときに知り、ルイズがキュルケを悪しく思っているらしいことも知った。何の用があるのか知らないが、キュルケの部屋にはなるだけ入りたくない。百が一にもルイズにその場を見られれば、小さくない咎めをうけるだろう。 しかし、無情にもフレイムは服を引くのをやめず、リキエルが少しそれに抵抗してみれば、服の裂け目も少し大きくなった。部屋に連れ込まれるのは、もう避けようがなさそうだった。 引ききられて、リキエルはとうとう部屋に入ってしまった。室内は明かりが落としてあって、開け放した窓から入るわずかな光のおかげで、なんとか部屋の壁が確認できるくらいである。その光も、雲が濃くなりはじめたと見えて、だんだんと明るさを失い、それに反比例して、室内の闇はより色濃くなっていく。 好きな人間もあまりいないだろうが、こういう暗闇がリキエルは好きではない。受け付けないと言い換えてもいい。目を開けているのに何も見えない状態が、パニックの発作を起こして、意志と無関係に両のまぶたが下り、上げようとしても上がらないときの暗闇と絶望感を、いやがうえにも思い起こさせるのだ。 窓の脇のカーテンが揺れて、涼しいというより冷たい風がリキエルの顔に当たったが、リキエルは汗を握り締めていた。連れ込まれる焦りからかいた冷や汗ではない、かくだけで気分の悪くなる汗である。もっとはやく目が慣れないかと、リキエルは目頭をもんだ。 「扉を閉めて?」 闇の中に人の気配が動いて、その気配から声がかけられた。記憶が確かならば、まさしくキュルケの声である。 「…………」 リキエルは動かなかった。これが誰か他の人間に言われたことであれば、特に断る理由もあるまいと思い、その通りにしたかもわからないが、この場合、場所と人間がどうにも悪い。 それに今リキエルは、キュルケにちょっとした反感を持っている。ここ最近は沈静化していた発作が、こんなことで出てしまうかもしれない、わざわざこんな場所に連れ込みやがってという、八つ当たり的な反感である。勝手な話だが、そうでも考えていなければ、雪だるま式にストレスが重なり、本当にパニックになりかねない状態だった。 ――自分で閉めたらどうなんだ。どうせ、自分で開けたのならよォ――ッ。 そんなリキエルの胸のうちにある反感に、夢にも気づけるわけはないが、キュルケはリキエルに扉を閉める気がないことは悟ったらしかった。 「……いいわ。まずはこっちにいらっしゃって」 声には出さないが、リキエルはイライラとして言った。 「まず? それは違うぜ、『まず』オレにどんな用があるんだ?」 「それもこっちで話すわ。さ、いらっしゃい」 「オレは鳥目ではない。こんなふうに右目が下りてしまってはいるが、特に夜盲症とかってわけじゃあないのだ。だが見えないぜ。こんな暗い中にいたんでは、足もとだって見えやしない。明かりくらいは点けてもらわないとな、来いと言うのならよォ~~」 「まあ、気がつかなかったわ」 変にわざとらしく明るい声音で、キュルケは言った。 次に、手をたたいたか指を弾いたかする音がした。すると、リキエルの足もと付近からキュルケの立っている場所に向かって、ロウソクが滑走路の誘導灯のように火をつけた。ぼんやりと部屋が明るんだことで、リキエルはほんの少し気分が楽になったが、この場にいる以上、ストレスがつのっていくのは止まりそうになかった。 闇の中に浮かび上がったキュルケは、レースのベビードールそれ一枚という扇情的な姿をさらしていた。もとのプロポーションがグンバツにいいキュルケがそういった格好をすると、ともすれば学生であることを失念させる、年長けた女の色気とでもいうべきものがにおい立つ。 ロウソクの演出といいリキエルを見つめる濡れた双眸といい、男を絡めとる手練手管というものを、キュルケはよくわかっていた。 だがリキエルは、それに誘われはしなかった。誘惑されるほど、心に余剰がないのである。そして、そうやってある意味冷静な目で見てみれば、なるほどキュルケは肉付きのよい張りのある体で、通った鼻筋や瑞々しい唇にも魅力があるが、逆にそういった若々しい部分が、大人っぽい色気の妨げにもなっている。所詮まだまだといえた。 リキエルは半分だけ距離を詰めた。 「それで、オレになんの用だ。それを聞いてから決めさせてもらうぜ、近づくかどうか」 ゆったりとした動きでキュルケは腕を組んだ。胸が少し持ち上がり、あらためてその大きさが強調される。 悲しげに目を伏せて、キュルケは言った。 「あなたは、あたしをはしたないと思うでしょうね」 ――まともな服を着たらどうなんだ、自覚あるならよォ――。 「思われても、しかたがないの。わかる? あたしの二つ名は『微熱』」 ――というかどうなんだ、疑問文にこんな返しってよォ――。 「こんな風にお呼びだてしたりして、いけないことだってわかっているの。でもあたし、恋してるのよ、あなたに。恋はまったく、突然ね」 ――恋ってどういうことだ、わざわざオレなんかによォ――。 「あなたがギーシュと決闘してる姿、あの啖呵、凛々しかったわ。あたしね、あれを見て痺れたのよ。そう、痺れたの! 情熱なの! あああ、情熱だわ!」 ――見てたのか、なら助けてくれてもいいだろうがよォ――ッ! 「二つ名の『微熱』はつまり情熱なのよ、ってあれ? どこに行くの!?」 踵を返して、リキエルは扉に向かって歩き始めていた。足取りは重い。 何か別の用件ならば、リキエルは聞かないでもない気になっていたが、自分に懸想しただなんだという話なら別だった。部屋に入ることさえ懸念しなくてはならないのだから、キュルケと恋仲になればなどと、考えたくもない。しかもそれが、明らかに一時の感情の揺れによるものなら尚更である。純な感情と言えなくはないが、そこが冗談よりたちの悪い部分とも言えた。 扉の前にはフレイムが伏せていたが、関係ない、出て行く。とにかく早々にここを立ち去らないと、どんどん面倒なことになりそうなのだ。なによりリキエルは息が苦しくなってきており、これ以上ストレスがかかるのはまずい予感もあった。 しかし恋に身を焦がしたキュルケとて、そう簡単にリキエルを逃がす気はないようで、すぐにその腕にすがりついた。 「待って! 本当に恋してるのよ! あの日から、授業中でも夢の中でも、ふとした時にはもうあなたのことを考えてしまっているの! 恋歌を綴ったりもしたわ! こんなふうにみっともないことをしてしまうのだって、リキエル、あなたの所為なのよ!」 リキエルは動きを止めた。キュルケの言葉に心を動かしたわけではなく、腕を掴まれた拍子に息が詰まり、完全に呼吸ができなくなったのだ。 そこに、である。 「キュルケ!」 その声を聞き、跳ね上がった眉を目に留めて、リキエルは血の色を失った。思考がまとまらず、一瞬目の前の娘の名前が頭から消えて、それがまた戻ってくると、体中から汗が噴き出した。腕に組み付かれているという、かなり嫌なタイミングで、ルイズに目撃されてしまっていた。 ルイズはリキエルを見もせずに、キュルケに向かって声を張った。 「ツェルプストー! 誰の使い魔に手を出してんのよ!」 「あらヴァリエール、ここのところ放課後に見ないけど、どうかしたの?」 「あんたには関係ないわよ! それより何してるのか聞いてんの!」 「しかたないじゃない、好きになっちゃったんだもん」 リキエルの腕に絡めた手を外して、キュルケは肩をすくめた。 ルイズはそんなキュルケを一際強く睨むと、その視線をようやくリキエルへと向け、短く切りつけるように言った。 「来なさい」 言われずともそうするつもりだったのだ。リキエルは荒い息で力の入らない足を動かし、つんのめりそうになってよろけ、ロウソクを二、三本けり飛ばした。転がってきたロウソクに驚いて、寝転がっていたフレイムが飛び退いた。 部屋を出てルイズのそばに立つと、ようやく汗がひいてきた。 「あら。お戻りになるの?」 息をつくリキエルにキュルケが言った。 振り返りもせず、リキエルは手を振ってそれに答え、さっさと歩き出しているルイズの後に続いた。淡白にすぎるかもしれなかったが、声を出せるような状態ではなく、挨拶するのもおっくうで仕方がなかった。 部屋にいたのはものの五分くらいだったろうに、リキエルはどっと疲れていた。 ルイズの部屋に戻ったリキエルは、それでも心休まりはしなかった。キュルケの部屋で何をしていたのか、多分その弁明をしなくてはならない。だがトカゲに引っ張られて仕方なく、などという言い分がはたして通るものかは、たとえば自分がそう言われたとしても疑問だった。 どんな言い訳をすればいいかリキエルは模索したが、うまい説明のしようはなかったし、いい嘘も考えつかなかった。 「リキエル」 頭をかかえていると、ベッドに腰を下ろしたルイズが不機嫌な顔で話しかけてきた。罵倒がくるか叱責がとぶか、はたまた飯を抜かれるか。三つ目が一番こたえるなと思いながら、リキエルは片目を向けた。 「顔色が悪いわよ、またパニックなんて起こさないでよ」 「……」 思わずリキエルは身構えていたが、ルイズの言ったことは、激しく予想と違うものだった。まず詰問されるくらいは順当な流れとリキエルは考えていたので、聞きようによっては身を案じるような言葉をかけられたことで、肩透かしをくらった印象もある。別に、ルイズは怒っているわけでも何でもないのだろうか。 しかしそうすると、ルイズがこうして不機嫌そうにしているわけがわからなかった。朝の手紙の件をまだ根に持っているのかとも思ったが、それなら罰を増やすとか、もっと直接的なことをしてくるはずだ。 その思考が顔に出たか、ルイズはぶすっと顔をしかめて、わずかに身を乗り出した。 「あによ、ヒバリの声で鳴くカラスを見るような顔して」 「正直に言えば、てっきり怒っているものだと思ってたからな。キュルケとは折り合いが悪いみたいだからよォ――、そんなキュルケと使い魔が一緒にいて、怒り心頭じゃないかってな」 「勿論よ! あああの色狂い人の使い魔にまで手を出して! あの下品で甘ったるい声ったらないわね、扉が開いていたから廊下にまで聞こえてきたわよ! だからあんたを引き止める、惨めな懇願も聞こえてたのよ。ふんッ、あれはいい気味だったわ!」 だいたいリキエルにも飲み込めた。 どうやらルイズは、キュルケに言い寄られてもリキエルがなびかなかったのを知り、そのことで多少は溜飲が下がったので、リキエルをとがめだてする気はないということらしい。それでも癇に障るものは障るので、不機嫌になっているようである。 「お風呂に入ってさっぱりしてきたあとに、あんな声なんか聞かされてぇ~~! せっかくとれた疲れもなんかまた戻ってきたわ、やんなるわね!」 言われてようやく気がついたが、ルイズの髪はしっとりと生乾きだった。石鹸と洗髪料の香りも漂ってくる。柚子やオレンジのような柑橘系の香りで、あまりきつい感じではない。なるほど、リキエルが部屋に帰ってきたとき、ルイズは大浴場で湯を浴びていたのである。 締め出されたことにはそういうわけがあったのだ。 ――……ん? 「もっと早い時間じゃあなかったか? いつも風呂に入るのは」 ルイズは大抵、他の生徒たちと同じ時刻に風呂に入る。 それが今日に限って妙に遅かった。いつもどおりにルイズが風呂に入っていれば、そもそもリキエルが締め出しを食うことはなかった。 「どうかしたのか?」 「別にどうもしやしないわよ、そんな気分だったの」 ルイズは素っ気なく答えた。 「そうか」 「それよりあんたのことよ」 「オレの……? 何がだ」 「この時間なら、多分見たほうが早いわ。こっち来て、カーテンの隙間からキュルケの部屋を見てみなさい」 言われたとおり、リキエルは窓辺に立ち、外を覗いてみた。すると、なかなかにとんでもないものが目に飛び込んできた。 まずハンサムな男が、キュルケの部屋の窓まで飛んできた。そのすぐあとに精悍な男が飛んできて、ハンサムな男と言い合いを始めた。どうやらあの二人は、キュルケに想いを寄せたか寄せられたかの男たちらしく、手違いがあったのか、逢引の時間が重なったようである。まかり間違えば自分もあの二人と同じ立場かと、リキエルは眉をひそめた。 だがそれは、まだ序の口だったのである。 二人の男が口論しているところに、なんと今度はいっぺんに三人の色男が飛んできて、全員で揉めだした。皆に今晩キュルケとの約束があり、皆が時間をかぶらされたということらしい。ここまでいい加減な話もそう無い。 とうとう一人が杖を抜き、他の四人もそれにならい、いっせいに地面へと下りていった。そのあとはかなり悲惨な権利争いが幕を開け、精悍な男が杖も使わずに四番目の男を殴り飛ばしたあたりで、リキエルは観戦をやめた。 疲労のこもったため息をつくリキエルに、ルイズが言った。 「わかったでしょ? キュルケがあんたに惚れてるって噂が立てばどうなるか」 「あの男どもの恨みを買うか。わかりたくもなかったがなぁ~~、こんなことはァ」 「ほんと厄介なことになっちゃったわ。それもこれもあのツェルプストーが……! ああもうだめ、 やっぱり疲れた。わたしもう寝る」 そう言うや、ルイズはぽいぽいと制服を脱ぎ捨てて、愛用のネグリジェに着替え終えたところでベッドに倒れこんだ。そして最後の力を振り絞って指を鳴らし、部屋の灯りを消した。机の上のランプだけが、小さく灯りをつけている。 このランプは、リキエルがルイズに頼み込んで、こういう月のない夜にはつけてもらうようにしていた。リキエルの発作を知るルイズは、睡眠の妨げにならない程度ということで了承してくれている。 すでに深い眠りに落ち込んでいるルイズに布団をかけてやりながら、リキエルはその常夜灯を見つめた。暖かなはずの光が、今日はなぜか、変にくどくどしい。 リキエルは目を背けるように窓の外を見た。うすぼんやりとした光が、かろうじて月明かりとわかる。当たり前だが、星は見えなかった。
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編集の仕方 ページの↑の方に「@ウィキメニュー 編集 表示 ツール ~」と書かれたツールバーが見えると思います。 『編集』をクリックし、『このページを編集』をさらにクリックしてください。 編集ページに飛ぶので、自分の担当した問題を書き込んでください。何があるか分からないので、個人の名前などは書き込まないで下さい。 ツールバーが見えない方は、お使いのブラウザのポップアップブロック機能を無効にしてみて下さい。色々やって駄目なら、COSまでメールを下さい。 自分が復元した問題がwikiに反映されたかどうか、必ず確認してください。サーバーのミスで反映されないことが稀にあります。 問10-1 肝細胞癌について正しいのはどれか。 (1)背景の肝病変としてB型肝炎・肝硬変が最も多い。 (2)C型肝炎では、線維化の進展につれて発癌率が上昇する。 (3)肝癌は男性の癌死亡率で第五位である。 (4)肝細胞癌は門脈を通じて肝内に転移する。 (5)前癌病変はない。 答え 2.4. 1)背景の肝病変としてHCV(+)が約75%、肝硬変が約90%である。 2)肝線維化マーカーのⅣ型コラーゲン・7S(Ⅳ型コラーゲンの7S)が7.5ng/ml以上、ヒアルロン酸が450ng/ml以上だと、癌の発生がより高い。 3)癌死亡率は男性:肺 胃 肝 結腸 膵、女性:胃 肺 結腸 肝 乳房、男女両方:肺 胃 肝 結腸 膵。だからいずれも3位。 4)肝細胞の進展の特徴として、門脈を介しての肝内転移が多い。肝外転移では肺への血行性転移がある。リンパ行性転移は少ない。 5)前癌病変として、肝硬変があります。 問10-2 68歳男性。C型慢性肝炎で経過観察中であった。腹部CTを施行したところ肝臓に腫瘤影を指摘された。CT画像を示す(肝臓の真ん中に5cm大の白い影がありました)。治療方針決定の上で有用なものは次のうちどれか? (a)ICG試験 (b)ERCP(逆行性胆道造影) (c)DIC(点滴静注胆嚢造影) (d)CT血管造影(CT-AP, CT-HA) (e)腹部超音波 答え a.d.e. Yr-n.B-51,54 C型慢性肝炎+CTでの腫瘤影→肝癌。 肝癌の治療方針の決定の手順として、肝外転移の有無→Child分類→脈管浸潤の有無、を見てから、ope、エタノール注入、マイクロ波、ラジオ波、動脈塞栓、動注化学療法、全身chemoの選択をする。そして、opeに関しては肝機能を調べてから切除範囲を決定する。 したがって、ICG=肝機能、CT血管造影・腹部超音波=脈管浸潤と思われる。胆道関係の検査は不必要。 問10-3 胆管細胞癌(CCC)について正しいのはどれか? (1)一般にhypervascularな腫瘍である。 (2)高分化肝癌との鑑別が難しい。 (3)肝細胞癌に比べて予後不良である。 (4)リンパ節転移はみられない。 (5)原発性肝癌には含まれない。 【解答】(3) 【解説】《胆管細胞癌=肝内胆肝癌: 肝内胆管上皮から発生する癌》 1.×:血管造影においては辺縁部がring状にenhanceされる。内部の造影効果は乏しい。(B-53) 2.×:はっきりした記述は見当たらなかったが、HCCがhypervascularな腫瘍であることを考えれば、造影すれば鑑別には困らないと思われる。 3.○:5生率を比べるとHCC=53.2%(朝倉1153)に対しCCC=15%(B-53)。 4.×:はっきりした記述は見当たらなかったが、早期からリンパ行性に肝内に転移し進行例で発見されることが多い(B-53)とあるので、リンパ節転移も当然考えられる。 5.×:原発性肝癌に含まれる。原発性肝癌のうちHCCが95%と圧倒的に多く、CCCの頻度は3.3%前後である(標準外科学第10版)。ちなみに好発年齢は50歳以上で性差はない(B-53)。 問10-4 問10-5 38歳男性、突然の上腹部痛を訴え救急外来を受診した。立位胸部レントゲン検査を以下に示す(右横隔膜直下にfree airを認める画像)。次に行う検査は何か? (1) 腹部CT (2) バリウム透視(造影) (3) 血管造影検査 (4) 胃管挿入 (5) 抗菌薬 a(1,2,3) b(1,2,5) c(1,4,5) d(2,3,4) e(3,4,5) 答え c.(1.4.5.) Free airがあることから、消化管穿孔・穿通と考えれる。 この中でまず、2)バリウムは禁忌!かわりは水溶性のガストログラフィン。 1)穿通していた場合、大量出血を伴います。この出血の有無をみるのに有用。 3)もし穿通であれば緊急開腹術を行うのでCTみて出血あればすぐope室なので、血管造影はあまり必要ないのでは。 4)胃管挿入し、胃液を吸引(洗浄は禁忌)。穿孔径5mm程度までなら保存治療が可能。 5)消化管穿孔後の腹膜炎の予防・治療として抗生剤(広域ペニシリン系・セフェム系)は必須。
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P 潰瘍性大腸炎 102D33 18歳の男子。下痢と粘血便とを主訴に来院した。3か月前から下痢と左下腹部痛とを認めた。7日前から5~6行/日の粘血便を認めた。海外渡航歴はない。身長 168cm,体重 52kg。体温 37.8℃。脈拍 84/分,整。血圧 118/62mmHg。眼瞼結膜に貧血を認める。腹部全体に圧痛を認める。筋性防御を認めない。大腸内視鏡写真(直腸)を別に示す。 考えられるのはどれか。 a 感染性腸炎 b 薬物性腸炎 c 大腸憩室炎 d 虚血性大腸炎 e 潰瘍性大腸炎 × a × b × c × d ○ e 正解 e 100F28 21歳の男性。下痢と血便とを主訴に来院した。2か月前から微熱,軟便および倦怠感があったが,勉強が忙しかったので放置していた。2日前から37℃台の発熱があり,1日3,4行の血液を混じた軟便がある。血液所見:赤沈 10mm/1時間,赤血球 480万,Hb 14.2g/dl,白血球 7900。大腸内視鏡写真を別に示す。 まず行う治療として適切なのはどれか。 a 酸分泌抑制薬投与 b 抗菌薬投与 c サラゾスルファピリジン投与 d 副腎皮質ステロイド薬投与 e 中心静脈栄養 × a × b ○ c × d × e 正解 c 診断 潰瘍性大腸炎 99E32 潰瘍性大腸炎で正しいのはどれか。 (1) 大腸癌発生のリスクは低い。 (2) 腸管外合併症として原発性硬化性胆管炎がある。 (3) 下痢の回数は重症度判定に重要である。 (4) 肛門病変の合併が多い。 (5) 手術適応の多くは腸管狭窄である。 a (1),(2) b (1),(5) c (2),(3) d (3),(4) e (4),(5) × (1) ○ (2) ○ (3) × (4) × (5) 正解 c
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びねつ【登録タグ LIQ ひ 初音ミク 曲】 作詞:LIQ 作曲:LIQ 編曲:LIQ 唄:初音ミク 曲紹介 LIQ氏の7作目。 ドライブ感溢れるHR/HM寄りの曲に挑戦してみました。(作者コメ転載) 本作のテーマは『別離』。 歌詞 熱い目眩もすでに限界 君の元から離れた視界 罪に染まりこの未来暗い 出来るなら時間を戻したい 忘れようと瞳を閉じてみても 感情の熱レベルが増していく 現実なんて言葉は簡単に 片付けられない認めたくないから どれだけ君を信じれば どれだけ罪を償えば 終わりのない夢の終着へ 目覚めたら 今感じるままに君の元へ そう飛び込むから ハイスピードで 自由のない箱庭でcry 再会の日はあとどのくらい? 君の許しだけをただ願い 出来るならまたやり直したい 触れたくてこの手を伸ばしてみても 感情に手錠が掛けられていく 運命なんて言葉を簡単に 受け入れたくない信じたくないから どれだけ君を求めれば どれだけ涙を流せば まだ見えない夢の終着へ 目覚めたら 今信じるままに運命なんて そう飛び越すから ハイスピードで 忘れようと瞳を閉じてみても 感情の熱レベルが増していく 現実なんて言葉は簡単に 片付けられない認めたくないから どれだけ君を求めれば どれだけ涙を流せば 終わりのない夢の終着へ 目覚めたら 今信じるままに運命なんて そう飛び越すから ハイスピードで どれだけ君を信じれば どれだけ罪を償えば 忘れゆく二人のあの頃へ 戻れたら 今感じるままに君の元へ そう飛び込むから ハイスピードで コメント なんか好き! リズムとかメロディーとか歌詞とか。 -- 名無しさん (2010-04-02 18 58 57) LIQさんすごく好きだ。 -- 名無しさん (2011-06-12 09 01 09) 歌詞好き -- sigu-シグ- (2013-07-25 19 30 03) 名前 コメント
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日本内科学会九州地方会・専門医部会教育セミナー 『微熱、全身リンパ節腫大、胸水・腹水、血小板低下で発症し半年間の経過で難治性腹水の状態となった症例』 (『コロッケ会,内科学会へ!』特別企画) 日時 2010年1月30日(土) 17時~18時30分 場所 九州大学医学部 百年講堂 中ホール3 企画責任 松木薗和也(鹿児島市立病院 内科) 司会 松木薗和也(鹿児島市立病院 内科) 黒田篤(市比野記念病院 内科) 症例提示 西垂水和隆(慈愛会今村病院分院 救急・総合内科) コメント 小浜浩介(昭和会今給黎総合病院 血液内科) 能勢裕久(慈愛会今村病院分院 救急・総合内科) 【症 例】72歳男性 【主 訴】腹満、腰痛 【既往歴】虫垂炎、鼡径ヘルニア 【現病歴】 7/10、ゴルフ中に臍周囲の痛み、背部痛が出現したため救急部を受診。救急部での血液検査、エコー所見では特に異常はなく、鎮痛剤で症状は消失した。 7/14、消化器科を受診し、GIF,AUSを受け、慢性胃炎と胆嚢ポリープの診断であった。この時には症状も消失していたため経過観察の方針となった。 7/20、飲酒後に再び腹痛・背部痛が出現した。 7/21、消化器科再診。この時のAUSでも、同じ所見だった。 7/24、咳嗽および呼吸困難感が出現し、近医を受診した.胸部Xpで胸水が認められ,呼吸器科を紹介され受診。胸部CTで両側胸水、肺門リンパ節腫大、前縦隔に軟部組織様の腫瘤が認められた。胸腔穿刺で得られた胸水の所見からは診断につながる結果は得られなかった。このころから微熱が出現し、顔面、手、足の順で浮腫が出現してきた。 経過観察中,8/10の血液検査で血小板が減少(7万)した。胸腹部CTを行い、血液内科に紹介された。頚部リンパ節腫大の所見あり。CTでは腹水、肝腫大も認めたため、リンパ腫が疑われ、骨髄穿刺・頚部リンパ節生検が行われた。骨髄は低形成の所見でありMDSが疑われたが、リンパ節生検の病理の結果は”反応性”というものであった。Bence-Jones蛋白、血清抗血小板抗体はいずれも陰性であった。腹部CTの所見から下大静脈血栓症が疑われ、8/20に精査及び加療の目的で総合内科へ入院となった。 【入院時現症】 バイタル:血圧 120/70mmHg HR 80/min. RR 18/min. BT 37.6℃ 身体所見:全身状態は悪くない.意識清明. 前頚部,後頚部ともに左右差なくリンパ節腫大あり,最大で1cmほど.圧痛なく可動性良好.甲状腺腫大なし 心・肺所見 異常なし 腹部 肝脾腫大なし,腹満なし 四肢 下腿浮腫なし,関節腫脹なし 鼠径リンパ節節軽度腫大あり,腋窩リンパ節は5mm程度. 神経所見異常なし.感覚障害,運動障害,反射など特記所見なし. 【入院後経過】 入院後、下大静脈血栓症では胸水、顔面、手のむくみは説明がつかないため、胸部CTを再検したが、他には明らかな血栓の所見は無く腋窩リンパ節の腫大が認められるのみであった。CTでの下大静脈血栓が疑われた件については、放射線科によると、血栓部位の再構築画像からは外部からの静脈圧俳像のようにもみえるが異常所見とまで言えないとのことであった。 「微熱、全身リンパ節腫脹、胸・腹水、血小板減少&凝固異常」を説明しうる原因疾患は何かの検索を行う方針となった。 縦隔の腫瘤様病変/VATS、肝生検、腹膜生検、PET、各種培養・血清検査などの検査を行ったが、確定診断に至る所見は得られなかった。 半年経過後に、病態は難治性腹水(毎週外来にて腹水ドレナージ)が主体となった。消化器科にても原因は不明のままであった。 【問題点】 #この病態を説明できる疾患は? #難治性腹水の鑑別・治療について
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G 腹部の診察 小項目 形,肝,脾,腎,リンパ節,筋性防御,圧痛,反跳痛(Blumberg徴候),腹水,腸雑音,血管雑音 101C23 筋性防御を伴わないのはどれか。 a 十二指腸潰瘍穿孔 b 麻痺性イレウス c 汎発性腹膜炎 d 急性胆嚢炎 e 急性虫垂炎 ○ a × b ○ c ○ d ○ e 正解 b 100E18 腹部の診察で視診に続く順番として最も適切なのはどれか。 a 聴診→打診→触診 b 触診→打診→聴診 c 触診→聴診→打診 d 打診→聴診→触診 e 打診→触診→聴診 ○ a × b × c × d × e 正解 a 99B21 上腹部に連続性血管雑音を聴取したとき認められる可能性が高い症候はどれか。 a 脱水 b ショック c 呼吸困難 d 血圧上昇 e 乏尿 × a × b × c ○ d × e 正解 d 99C11 26歳の男性。朝から腹痛が持続するため来院した。朝食後,嘔気と心窩部の痛みとが出現し,痛みは次第に右下腹部に移動した。体温 37.6℃。呼吸数 14/分。脈拍 92/分,整。血圧 118/78mmHg。血液所見:赤血球 450万,白血球 13000,血小板 22万。 認められる所見はどれか。 a 腹部の膨隆 b 腸雑音の亢進 c 肺肝境界の消失 d 右下腹部の反眺痛 e 深呼吸による痛みの増強 × a × b × c ○ d × e 正解 d 診断 虫垂炎
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ダリアコミックス バタフライシリーズ・秀穂編 冬乃郁也さん 10/5/3
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ぬるいというよりかは人肌とでも言うべき36℃のシャワーはさながら真夏日の夕立のようにイリヤスフィール・フォン・アインツベルンの肢体に降り注ぐ。顔を上に向けて水の匂いと振動を堪能し、唇を舐めればカルキが口に広がった。流れる湯は天使の輪のように光を返す頭頂部の銀髪から喉と肩を経由して小高い胸部と肩甲骨へと至り、胴を滑り落ち臀部の割れ目で水位を増すと粘性を保ちながらも脚部を自由落下する。濡れた髪の感触を楽しむように頭にやっていた手から、イリヤはその体を流れる小川を肌を通り越して五臓六腑にまでことごとく浸透させるかのように胸から腹へと押しつけ、念入りに手のひらをさらさらと滑らせた。 お湯が普段よりも大分温いのは、イリヤ本人の体調を考えてのものだ。つい先程まで熱中症のような状態であったことを考えると、シャワーは熱くても冷たくても余計な体力を消耗する。もちろん入浴自体が疲労に繋がるのだが、たっぷりとかきにかいた汗を流したいというのは乙女でなくとも人情であろう。火照った体を鎮める為のやさしい雨がイリヤに潤いを与えてくれる。それを広げた手の指先のじんじんとした血行から確認するとイリヤはきゅいと音を立ててシャワーを止めた。 シャワーヘッドを掛けると浴槽の水面に手を一文字。湯気も立たないほどの湯船は温水プールを連想させた。その水面に、模範的なプールの入り方でゆっくりと身体を沈める。滑り込むようにお湯に浸かると僅かなさざなみに身を任せる。 ゆったりとした揺れは規則的かつ自然に体を動かして、ふわりと眠気を誘った。全身の脱力《リラックス》が体を浮き上がらせ、ある意味半身浴の状況を作る。体の前面は空中に、体の後面は水中に。端から見ればマヌケな姿に思えるかもしれないが、しかしイリヤの水面に広がった銀髪とその迷彩の下に広がる雪原はある種の神々しさを感じさせた。 「ーーふっ、う……」 ここに来てイリヤは初めて声をあげた。ぷかりと浮かんだ裸体は電灯に照らされ白い光を返し、時おり沈み、また浮かぶ。 「……あっ……はぁーー」 体の左右の傾きをゆらゆら揺らし、直し、平行にし。そして。 「はぁっーーぷはっ!」 大きく深呼吸し、体に力を入れて、潜る。水圧が増し胸を圧迫し肺を縮める。苦しい。息をしたい。目を開く。体を束の間緊張させ、からの弛緩。 ぼこんと大きな音を立てて口から空気が固まりになって打ち上がり。 入れ替わりに水が口内に満ちるより早く浮上した。 「ふぅ~~~~~、良いお湯でした……」 暫くして、イリヤは首にかけたタオルでパタパタと顔を扇ぎながら自室へと入ってきた。衛宮家はその間取りを忠実に再現されたのか自室を見る限りではここが聖杯戦争のための仮想空間であることを忘れてしまいそうだ。家具や雑貨、あるいは小物に至るまでイリヤが持っていたり欲しいと思っていたものが用意されている。そこはかとかない理由なき居心地の悪さを除けば概ね快適な空間である。そんな自室を一瞥すると、イリヤはベッドにばったりと倒れこむと目を閉じた。 体にのしかかる疲労は、やはり大きい。 魔力の消費はそこまで大きいというわけではなかったが、戦闘でのストレスは想像以上に大きい。そしてなにより炎天下の中玄関先で気絶していたことによる熱中症がやはり酷しい。 もしあの時もう少し早く起こされなければ……そう考えて、イリヤは耳を澄ます。普段ならもうそろそろルビーがちゃちゃの一つでも入れてくるものなのだが、不思議と入浴以来影も形もなかった。 「ルビー?」 名前を呼んでみる。しかし、現れない。なるほど今回はなかなか出てこないというパターンだろうか。ぼんやりとそんなことを考えながら再び「ルビー」と呼びかける。今のイリヤはほとんど頭が回っていない。機械的に発音。 「……ルビー?」 三度目の呼びかけ。それには感情がこもる。もしかしたら冗談ではなく、ルビーはいないのか。ランサー同様いないのか。そんな予感が不安という形で声に表れる。普段ならイタズラかたまたま都合がつかないかといったところが思いつくのだが、今のイリヤは違った。といっても。 「ハイハイハ~イ、そんなに何度も呼ばなくたってここに居ますって。」 当のルビーがひょっこり出てきたことで直ぐに解決されたのだが。 「いやー、私達が出会った頃を思い出すシャワーシーンでしたね。あ、これ麦茶です。」 「ありがと……」 適当なことを言いながらコップを抱えて器用に飛んできたルビーにこれまた適当な返事をイリヤは返すと、麦茶を受けとる。その様子につい先ほど見せた不安の色は皆目なく、疲労困憊という感じしかなかった。 こくりこくりと麦茶を時間を掛けて飲み干したイリヤを見ながら、ルビーはそう思う。玄関でこんがり焼かれていたイリヤを叩き起こして以来、普段の大きなリアクションはすっかりなりを潜めこの様な調子だ。 (ま、その方がヘタに騒がれるより今はマシなんですけどね。) ルビーはそう心中で愚痴る。今現在、イリヤが置かれている状況は複雑だ。はっきり言って、イリヤの行動の最適解が家で静かに寝ていることである程度にはなかなかに面倒くさい。 とはいえ、そのことをそう言葉通りに本人に伝えるわけにもいかない。丸め込まねばならないだろう。 (ほんと、静かにじっとしていてもらわないと色々不味そうなんですけどね。たぶん無理だと思いますけど。) ルビーは祈るように、しかし諦めの気持ちを持ちながらイリヤと会話を続ける。やれ水分補給が必要だ、やれもう少し髪を乾かせ、そんな無意味な話題をふった。イリヤもそれにだるそうに応えていたが、しかし、そんなどうでも良いことよりやはり気になることはあるだろう。それは聖杯戦争のマスターである以上ごく自然で常識的な話題だ。 「……そういえばランサーさんは?」 (さーて来ましたよ面倒な質問が。) ぐったりとしながらも目線を動かさずに聴いてくるイリヤを見てルビーは気合いを入れ直した。 ルビーがイリヤにランサー・カルナの話を、というか聖杯戦争に関する話自体をしたくないのには、イリヤの置かれた状況の大きな変化があった。その最大の変化は美遊の存在の発覚である これまでのイリヤは美遊・エーデルフェルト達のいる元の日常への回帰をモチベーションとして聖杯戦争に挑んでいた。その傾向は遠坂凛の死によって確固たるレベルに高まっている。それはカルナを他のサーヴァントにけしかけるという、普段の彼女ならば考えにくい行動をとるほどのものだ。 しかし、この聖杯戦争には美遊も参加者として存在してしまった。イリヤや凛が参加していた以上なにもおかしくはないが、しかし実際に相対するとなれば話は別だ。最後の一人になるまで戦わなくてはならない以上、必然的にどちらかが死ななければならない。あるいは、なんらかの手段でこの聖杯戦争から脱出する方法があれば二人が殺し合う必要はなくなるが、そうなれば今度は凛を蘇生させることが不可能になるだろう。 親友と殺し合うか、先輩を見捨てるか、イリヤは必然的にどちらかを選択しなくてはならない。ただでさえ家族から切り離され親しいものの死によって傷心のイリヤにそのジレンマを味あわせるのは余りに酷だとルビーは判断したのだ。 だから、ルビーは決断をした。『イリヤに美遊・エーデルフェルトという存在を認識させずに聖杯戦争の優勝者にする』と。これはつまり、美遊の基本方針を受け入れるということであった。美遊は現在イリヤに露見しないようにこちらに敵対的な主従への攻撃を開始している。ならばルビーとしてはイリヤの目がそちらにいかないようになるべく聖杯戦争から遠ざけるのが最も得策であるとした。もしイリヤと美遊がマスター同士として出会ってしまえば、イリヤだけでなく美遊にもどれだけの影響が出るかはわからない。生き馬の目を抜くこの戦いでそれだけの隙をつくるのは避けなければならない以上、絶対に二人を会わせてはならないのだ。 またその為にカルナとイリヤが接触するのも可能な限り避けなくてはならない。この一月程カルナの人となりを見てきたが、あれは現在のイリヤ達にとって天敵であると言って良いものだ。イリヤが彼を前にすれば、ルビーと美遊の作戦は一瞬で崩れるだろう。あのサーヴァントはなんであれこの様な嘘を見逃しはしない。そしてイリヤが少しでも違和感を感じてカルナに聞いてしまえば、恐らく全てが終わるだろう。 (ーーまさか、全力でイリヤさんを騙し通さなきゃならなくなるとは。しかも美遊さんとサファイアと一緒に。) ルビーは自嘲する。 ルビー、サファイア、美遊の三人は、イリヤを優勝させるためにイリヤを聖杯戦争に関わらせずに騙しきる、その道を選んだのだ。汚れ仕事は美遊とサファイアが行い、ルビーがそれから目をそらす。イリヤだけがこのペテンを知らず、優勝する。 (私だったら、こんな裏切りされたらなにするかわかりませんね……) マスコットとしては、失格も良いところだろ。こんな非道な存在は数えるほどしか知らない。どうやら自分達はそのなかでも割りと上位に行けそうだ。 (ま、やるからには完全犯罪を目指しますか。) 既に美遊達は一組の主従を殲滅した。塞はとっくに投げられている。 三人の共犯者の一人として、口八丁手八丁で詐欺してみせる、ルビーはそう腹をくくった。 【深山町、アインツベルン家/2014年8月1日(金)1534】 【イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/kareid liner プリズマ☆イリヤ】 [状態] 疲労(小)、精神的疲労(中)、髪がちょっと短くなった、パジャマ [残存令呪] 3画 [装備] カレイドルビー [思考・状況] 基本行動方針 聖杯戦争に優勝してリンさんを生き返らせる 1:わたしと同じ顔と名前のバーサーカーのマスター…? 2:ランサーさんから離れすぎないようにする [備考] ●自宅は深山町にあるアインツベルン家(一軒家)です ●変身は現在は解除されています ●ランサー(カルナ)から「日輪よ、具足となれ」を貸与されています